またたび感想録

観たもの聴いたもの読んだものの感想を述べます。

女王蜂『十二次元』再度

さて随分時間を置いて再聴。

普段あまり好きなバンドのトークとかインタビューとか見ないんだけど、0年0組観てたらアヴちゃんの徹底的に偶像を作り上げるスタンスが見えたので、どこか不安を伴って聞いていた女王蜂の最新アルバムも聴こえ方が変わった。こういうこともある。

 

1曲1曲を細部まで息詰まるほど作り込むスタンスは、お仕事前に聞くのにぴったり。私情を排して効果的に必要なことをしようと思わせてくれるし、そうして作られた曲の仕上がりの美しさがそういう方針を肯定する。

でもやっぱり1週間だった。女王蜂は鉄壁すぎて呼吸ができない。聞けば聞くほど自分は完璧にはなれないと思い知らされる。女王蜂を聞いてた1週間は今回もやはり敗北感の連続だった。できないことばっかりで、やれて当然のことに必死になって、多分いてもいなくても変わらないんだろうなあと確信を持ちながら、それでも美しい仕事に憧れるのはやめないでおこうと思う。理想って大事では。

 

なにかとてもいじわるだなあと思うんだけど、私が仕事に慣れようと必死になっている間に、平気で友達を後輩で苦労させてみたり、好きな子の先輩を異動にしてみたり…

自分のことは自分で乗り切れるけど、周りが大変そうなのは何もしてあげられなくて、むしろ勝手にダメージを食らうという事実。できればみんな健やかに暮らしててほしいと思うけど、なかなか叶わない願いらしい。

仕方がないからしょせん何もできないということを覚えておこう。どうせ六道の人間道、生きることそのものが苦行で罰ならば、それを前提にして生きれば日々のちょっとしたことで幸福を得られちゃう。これは余談の豆知識です。

 

アヴちゃんのいい仕事を存分に浴びられるアルバム。地の底を這ってるような気分の人に地の底でも生きられることを教えてくれる。厳しいけど。