またたび感想録

観たもの聴いたもの読んだものの感想を述べます。

2024-04-01から1ヶ月間の記事一覧

とっ散らかり中につき…

今年も部署異動があった。 まさかである。 地獄のカウンター業務から脱出した先には魔王が待っていた。 「君の担当する業務は今、最悪な状況にある。」 「なんとかしないといけませんね」 「まず赤字から脱出しようぜ」 「ええ…いやあでも、他の業務もあるの…

羽海野チカ『3月のライオン』1-3巻

3月のライオンを読み始めた。 3月のライオンという物語に出てくる人々は、それぞれの持つ背景が濃い。主人公からして、史上5人目の中学生プロ棋士であり、幼くして実の両親と妹を亡くして父の友人のプロ棋士の家に引き取られたものの、家に居場所を見出せ…

大江健三郎『死者の奢り』

大江健三郎は初めて読んだ。初期の作品らしい。 数知れぬ死体が浮き沈みする医学部地下の遺体保管プールでのとある日のできごとを描いた短編。 周辺に終始翻弄されながらも物思いにふける男子学生が主人公。 開幕シチュエーションはインパクトがすごいんだけ…

笙野頼子『タイムスリップ・コンビナート』再読

私は前にこの話を本当に読んだのか?と思いたくなるくらい、知らない描写が現れてきて戸惑った。 再読、『タイムスリップ・コンビナート』。 この話は「私」が自宅のある都立家政駅から海芝浦駅まで行く物語なのだが、途中で降りたり乗ったり待ったりと結構…