またたび感想録

観たもの聴いたもの読んだものの感想を述べます。

蔡康永『私をやめたい。でも今日くらいは笑ってみる』

通信学校の先生が監訳を担当した本ということで、折角なので読んでみた。

 

・自分と対峙するための「分身」をつくる

・感情に振り回されないように自分に問いかける

・どんな感情も味方にする

・生を全うするためにどう生きるか

・自分らしく生きるための「幸せ」の考え方

 

蔡康永という人は、台湾で有名な番組司会者らしい。そして訳者さんが巻末で語っているけれど、原著とこの作品はだいぶ雰囲気やニュアンスが異なるそうだ。とても分かりやすい言葉で書かれていた。

 

どんな人にもコンプレックスがあるし、幸福も成功も長くは続かない。

自分を苦しめる感情や思考とどう向き合って解放されていくかが大事。

 

内観重視の自己啓発本で、受け入れやすい内容だった。感情の捉え方とか、自分の生き方を考えるとか、自分と対話するとか、表面的じゃないことが書いてあって私は好きだなと思った。

 

私は自分がおもしろいことを探すのだけは昔から得意中の得意で、周囲から全く共感を得られなくてもひとりでおもしろがっている。

気がつくと周りに誰もいないからさみしいけど、まあそれが私という生物の有り様なのかもしれない。

それでも人間は楽しいと言いたくて、一生無駄なあがきに終わるかもとびびりながら、本日も作文を続けている。

人はそれぞれ一所懸命にけなげにけなげに日々を生きている。みんなそうなのに、なんだか平気で人が人を踏みにじる。価値観が違うから、都合が悪いから、そんなつまらない物差しで生きていくのは個人的には嫌だ。でもそういう物差しが自分にもあって、つまんないことを言っては後悔している。プレッシャーかけられて物陰でキレたり、予想通り約束をキャンセルされて予想してたのにもやついたり、最低ですが何か。日々成長中なんですー。未熟すぎて伸び代しかないんですー。ああ、なんて愚かで蒙昧な。

デュラララの折原臨也が「人、ラブ!」という名言を残しているが、まさしく人は一方的に勝手に無条件に他人を愛してみればいいと私も思う。どんなキャラクターかあんまり知らんけど。

磯谷友紀『ながたんと青と』7-8巻

兄嫁・鈴音が転がり込んでから2週間が経ち、そろそろ大阪に帰らなければと話す鈴音。山口の家の空気に不安を覚える彼女の姿に、周はいち日、みちやとともに鈴音を大阪まで送ることにする。父親への桑乃木の売り上げ目標達成の報告も兼ねていた。

同じタイミングでアメリカに行っていた次男・栄が大阪に帰ってくる。周りの人間の懐に入るような巧みな会話を繰り広げる反面、出される料理にほとんど手をつけない様子やその発言からいち日は栄を「怖い人」だと感じる。そんな栄からいきなり桑乃木の2号店出店を持ちかけられたいち日は戸惑う。

京都に帰ったあとも、栄は桑乃木での大物俳優の取材をセッティングし、料理人の慎ちゃんを懐柔して2号店をやりたいと言わせるまでにしてしまう。栄のあまりに手際のよすぎる段取りに呆然とするいち日と周だった。

 

鈴音は縁との結婚生活がどうにも耐えがたいようで(そらそう)、周に助けてもらいたがっている、なんならいち日をうらやみ周と結婚したいのではないかと思わせるくらいの言動を繰り返す。

周は、かつての想い人の懇願にもすげない。あくまで桑乃木の人間として動く、いち日のそばにいることが最優先らしい。結局片思いの想い人よりも自分に心を砕いてくれたいち日さんを選んだということなのかなあ。

周の父親の課題をクリアしたところに、さらに恐ろしい手際で桑乃木を操ろうとする次男が現れた。口では気分のいいことばかり並べるのに、もらった食べ物は一口食べて捨てるし非道な気配しかしない。

 

それにしても、説明を試みるとかなり複雑な人間模様が展開しているなあと思う。それをさらっと読ませてしまうのがすごい。構成が上手いのか、見せ方か、キャラクターづくりか。

 

借りた漫画はあと2冊…読み終わったら続きを待つ日々だな。

 

 

磯谷友紀『ながたんと青と』4-6巻

養子のみちやを迎え、大阪・山口家の父が認める成果を出すべく焼き菓子の販売や店の改装をしながら客足を伸ばしている「桑乃木」。

周の兄・縁は早く桑乃木を手に入れてしまおうと周を大阪に呼び出し、様子を見にやってきたいち日の料理に難癖をつける。その縁の妻・鈴音が周の長年の想い人だといち日は察する。

駆け落ちして行方の分からなかった妹・ふた葉と料理人の慎ちゃんも見つかり、桑乃木を手伝ってくれることに。先代のだしの取り方を受け継いだ慎ちゃんのおかげで、桑乃木は昔の味を取り戻すことができた。

周は自分の恋愛感情がいち日に向き始めていると思い始めるが、いち日はそれは思い違いで、周にはいつか家から解放されてやりたいことをやってほしいと伝える。そんな折、鈴音が2,3日匿ってほしいと桑乃木に転がり込んできた。

 

いち日の方は周の長年の想い人が鈴音だと分かり、もともと歳の離れた周を桑乃木に縛り付けることに後ろめたさもあり、鈴音と周が上手くいくならそれもいいと本気で思っている。いち日なりに周のことを好きでいるのだけれど、周の幸せを優先したいと思っている、そういう人らしい。

周の方はいち日との結婚当初の心境からだいぶ変化があったらしく、いち日に想いを寄せているのも正直なところ…なのだろうけれど(描写でも分かるし)、いや鈴音のこと好きだったのでは、そんなすぐ心境変わるものだろうか、とも思うし、いち日ちゃんが思い違いと言ってしまうのも分かる…。鈴音転がり込み事案が次巻でどう動くかでちょっと分かるかもしれない。

たとえば別の想い人から自分に心が移ったと言われても、またどっか行っちゃいそうだなと思っちゃうかもなあ。自分に気持ちが向いたことへの喜びよりも、人の心のはかなさを思ってしまいそうですよ。そんな簡単に好きになったりどーでもよくなったりするんか…はかないねえ…的な気持ちが。周くんがどうなのかはまだ保留だけれども。分からない、人の気持ちは。

 

この物語はハッピーエンドに違いないんですけどね、この空気感…で周くんお別れエンドはないんじゃないか、ないと思う、たぶん。

磯谷友紀『ながたんと青と』1-3巻

いとこのおすすめで。

太平洋戦争終戦から5年経った京都が舞台。

主人公のいち日は料亭「桑乃木」の娘で、ゆくゆくは料理人の夫とともに女将として料亭を継ぐつもりでいたものの、夫は戦争で帰らぬ人となった。

夫亡き後、自分で生計を立てるべくホテルで西洋料理人として働いている。

「桑乃木」に大阪のホテル経営者・山口家から縁談が持ちかけられる。山口家は縁談を足がかりに「桑乃木」を乗っ取り、ホテル事業の京都進出を狙っている。

ところが縁談相手は19歳の大学生・周。いち日は今年35歳になることから、あまりの歳の差と周の口の悪さに縁談を断ろうとしたものの、実家を出たい周の割り切った態度に縁談を承諾する。

父亡き後経営の傾いた「桑乃木」をふたりは立て直すことができるのか。終戦後の新しい時代に、女料理人がながたん(=包丁)片手に青とのような経営者とともに立ち向かっていく。

 

これ書いてるのお昼時なんだけれど、読みながらお腹が空いてお腹が空いて…ものすごくおいしそう。和食も洋食も。

朝ドラになりそうな、いざこざしながらもどこか爽やかに未来に向かっていこうとしている空気感がある。

なにかを「はじめる」のに批判や誹謗中傷はつきものだと言うけれど、なんで何もしない人間に否定されないといけないんだと思いながら応援してしまうふたり。

新しいことに対する抵抗感や拒否感は今も昔もある程度あるのかもなあと思いながら。そんなにいけないことだろうか、何かに挑戦することは。挑まないから衰退していくのではないのだろうか。そのうちブーメランになりそうだからこの辺にしておこうか。

お昼ごはん何食べようかなあ。

アニメ『葬送のフリーレン』(所感)

これはいい…数年前から「この漫画がすごい」にランクインを繰り返していた作品が満を持してのアニメ化。持て囃されすぎて原作には手を出してないのでアニメが初見。テーマがシンプルで、美しい作品。

 

今漫画読みに刺さるのはこういう作品なんだ、と腑に落ちまくる。

長い長い時間を生きるエルフが、「君のことを知らない」と涙を流すところから物語がはじまる。力も知恵もある魔法使いとして旅を続けながら、人を知ろうとする。

人を知らずに生きるのはエルフじゃなくても同じで、温かな信頼とか情が物語の中には在る。こういう夢に癒されたりするのかもしれない。実際癒される、この作品。

 

全力で作り上げられた美しい夢の中には、現実に持ち帰れるモノが確かにある。

のだけれど、現実の中にそれを見つけるのはなかなか困難で、しんどさに押し流されていく。フィクションに救われる消耗戦を繰り返す。

現実に見出せるのはもっと混沌として不明瞭な、しかし確かにフィクションの中でみた夢とよく似たモノだ。それは確かにあって、作家はそれを磨いて包んで作品にしているのだろう。

 

万人に夢を見せて、その中の一握りが現実に何かを持ち帰って来られるような作品が、名作なのかもしれない。『葬送のフリーレン』はたぶんそういう作品なのだと思う。

 

人を知りたいと願う人間がどのくらいいるだろうか。興味もない、人のことなんて気にしている余裕がない人はたくさんいるけれど、別にそれだって人は生きて死んでいく。

それなら知りたいと願える人間と出会えたフリーレンは幸福かもしれない。長く生きた甲斐があったのかも。知りたいという望みがもたらすものが必ずしも幸福なのかは分からないけど、彼女の長い人生の中では革命的なできごとになるのだろう。

ヤマシタトモコ『違国日記』1-4巻

全てが突き刺さる今年の覇権漫画あらわる。

槙生ちゃんがほぼほぼ同世代なのだけれども、こういうこと言える大人になりたいよなあ、こういう風にありたいよなあという感じで。

「嘘がつけない」ということが槙生ちゃんの言葉の誠実さの裏付けになっている。

朝ちゃんパートは思春期の難しい感情のもつれとか孤独感とかをはらんで不安定ながらも変化に満ちていて。

この人はなぜこんなに丁寧に描けるのか。

何度も読み返してしまう。

 

「ただ大切にするというだけのことが

こんなにも難しい」

ほんとにそうなんだよなあ。という会話やモノローグが多くて、共感指数が高いというか。ああでも共感できるなんて言うのも怖いくらいだ。あまりに繊細に描かれているから。

自分の大切にするを押し付けることと、相手の世界ごと大切にするのは全然違うよなって少し前に考えてたことが漫画の中で語られている!と思ったのはほんと。

他人のことなど永遠に分からない、とか。

分かるーってなってしまって上手く語れないやつなんですが。距離が取れない。なんだか馴染み深いかんじがする。

こういう漫画が人気出てるのはこの世の夜明けですね。春には実写映画化するらしい。ガッキーの槙生ちゃん…どんなだ。分からん。

 

この世にこの漫画が生み出されたことにも、自分がそれを読めていることにも感謝してみたくなっている今日この頃。

ヘブバン『シャロのナイトメアキャンペーン』

クリアしたーーーーーー!!

追いかけっこ系ゲームは不得手なので、解放感がすさまじい。

 

突然5体のシャロに追いかけられる1日目。

天井から逆さに走ってくるシャロに追われる2日目。

くるくる回転するシャロに追われる3日目。

巨大なシャロに食べられそうになる4日目。

全部載せの5日目。

日に日に「今日のシャロ」が楽しみになりつつ、追いかけっこ要素はかなりの緊張感を伴うので今日はクリアできるかなとどきどきしながら遊ばせてもらった。

 

追いかけっことかスピードを要求されるゲームは苦手だけど、なんとかクリアできるくらいの難易度になっていた。ありがたい。

 

初日に並行してイベント「罪と罰と愛と」も遊んでみたので、2日目からシャロちゃんのキャラクターが掴めて恐怖が半減した。

夜中に遊んでいたので、ロシアンモーニングやら中華やらに飯テロされた。31Xいいね。温泉イベントのアイリーンとマリアのやりとり…?がこちらでも通常運転で展開している。「おいタマあ!」「ひぃぃぃぃ」くらい日常なんだなというやりとりだった。マリアはあれだけ威勢がいいのにヒーラーなんだ、キャンサー殺せないじゃんと思ったりした。

シャロちゃんが「1人だけ生き残ってしまう」謎も明かされる、飯テロイベントだった。

 

報酬のS確定10連シャロガチャ、本日ついてるので引いてみたらSSシャロちゃんが2枚出た。

ミニゲームがんばってよかった。