人は読むべき時に読むべき本を読むものだなあと思いながら読了した。
なぜだか読まずに10年以上本棚で肥やされていた我らが森見登美彦先生の有頂天家族は今日読まれることになっていたらしい。
『面白く生きるほかに、何もすべきことはない』
これが全てなのだった。
狸と人と天狗による京都活劇は最高に弾け飛んでおり、森見登美彦を読み始めた当時の高揚感を思い出したりする。当時もたいがいぱっとしない腐れ大学生だったけれども、まあぱっとしない腐れ社会人でも面白く生きられると思うのだ。
面白く生きるのはお気楽そうに見えて意外と大変だけど、やりがいはある。
意に沿わないことはしないけど、興味のあることには鼻面つっこんで、あとはよく寝てよく食べる。そういう繰り返しにより、最後に「まあいい人生だった」と思えるような気がする。
ということで狸に倣って相変わらず今後ともよく生きようと思う。
祭りのあとにはまた次の祭りが始まるので、それがどういうものであってもいかに面白がるのかがたったひとつの命題だよなあと思いながら、それが死ぬまで続けばいいと思う。
総一郎の赤玉先生への挨拶が最高にいかしているので、かくありたいよなあと思いながら。
好きな作家はこうだから好きなのだ。