またたび感想録

観たもの聴いたもの読んだものの感想を述べます。

磯谷友紀『ながたんと青と』7-8巻

兄嫁・鈴音が転がり込んでから2週間が経ち、そろそろ大阪に帰らなければと話す鈴音。山口の家の空気に不安を覚える彼女の姿に、周はいち日、みちやとともに鈴音を大阪まで送ることにする。父親への桑乃木の売り上げ目標達成の報告も兼ねていた。

同じタイミングでアメリカに行っていた次男・栄が大阪に帰ってくる。周りの人間の懐に入るような巧みな会話を繰り広げる反面、出される料理にほとんど手をつけない様子やその発言からいち日は栄を「怖い人」だと感じる。そんな栄からいきなり桑乃木の2号店出店を持ちかけられたいち日は戸惑う。

京都に帰ったあとも、栄は桑乃木での大物俳優の取材をセッティングし、料理人の慎ちゃんを懐柔して2号店をやりたいと言わせるまでにしてしまう。栄のあまりに手際のよすぎる段取りに呆然とするいち日と周だった。

 

鈴音は縁との結婚生活がどうにも耐えがたいようで(そらそう)、周に助けてもらいたがっている、なんならいち日をうらやみ周と結婚したいのではないかと思わせるくらいの言動を繰り返す。

周は、かつての想い人の懇願にもすげない。あくまで桑乃木の人間として動く、いち日のそばにいることが最優先らしい。結局片思いの想い人よりも自分に心を砕いてくれたいち日さんを選んだということなのかなあ。

周の父親の課題をクリアしたところに、さらに恐ろしい手際で桑乃木を操ろうとする次男が現れた。口では気分のいいことばかり並べるのに、もらった食べ物は一口食べて捨てるし非道な気配しかしない。

 

それにしても、説明を試みるとかなり複雑な人間模様が展開しているなあと思う。それをさらっと読ませてしまうのがすごい。構成が上手いのか、見せ方か、キャラクターづくりか。

 

借りた漫画はあと2冊…読み終わったら続きを待つ日々だな。