ピカソ展に行ってきました。(2回目)
そして『ミステリアス・ピカソ』も観た。
ピカソは最近マイブームになりつつある。
「こーゆーのがいい」という感じ。
堅苦しいことをいうと、人間の思考の自由をこういう作品が支えてくれる気がする。飛べるって思う。
自由だから全部自分で考えないといけないけど、全部自分で考えてもいいっていうのはなかなか贅沢なことで、あー世界って広いんだなあという気分になれる。
君が痛いなら痛いのだし、君が幸せなら幸せなのだし、君がそう思ったことを誰かが否定することはできないんだし、君がそう思ったことを私は受け止めていたいということを、全世界に言いたい。
分かるように伝えなきゃ痛いも辛いも分かってもらえないし、分かるように伝えても聞かなかったことにされる現実を認識しつつ、でもそれは多分みんなが痛くて辛いからなんだよなと思う。
自分だけの世界は狭くて暗いから、すぐ行き止まりになってしまうけれど、他人のいる世界は行き止まりがない。汲んでも汲んでも汲み尽くせないうちに生涯なんて終わってしまうと思う。
そういう呼吸のしやすさをピカソの絵は与えてくれるような気がする。そういう感じで最近のマイブームはピカソなのだった。
『ミステリアス・ピカソ』はピカソ本人がカメラの前で即興で絵をどんどん描いていく映像作品で、画家の筆遣いを眺めながら、どんどん変容していくスケッチを眺めている…という贅沢時間を過ごせる作品。
「画家とモデル」といったスケッチに影が入り背景が現れ、気が付いたら黒に飲み込まれているというような。何考えて作っているのかは分からないけど、どうやって描かれたのかは教えてくれる。
完成品だけ見たらどこが「海水浴」?と思う絵が、もともとはものすごく海水浴感があったりだとか。海辺もビキニもあったのになー。
ピカソ、見れば見るほど楽しい。
思考の赴くまま、時代時代の技術を喰い、新しい絵を描いていく。
自分にはこう見える、を諦めないようにみえる。
それがいい。