平日の昼間からクーラーの入った部屋で『推しの子』観てました。なんと贅沢。
◯アイドルのアニメ
アイドルってそもそも直訳すると偶像なんだけど、生身の人間が「演じて」作り上げているシステムだと思っていて。
それがアイドルアニメなんていう偶像をさらに創作するようなカオスな状況になってるなあと数年前から思ってたんだけども。
推しの子に関してはむしろ3次元でやると生々しすぎるのでアイドルアニメそのものを考える路線は今回はやめとこうと思う。
◯1話/6話
視聴継続の分かれ目になったのではなかろうか。
1話は個人的にカリスマアイドルにもたらされた残酷な結末すら美しすぎると思ったけど、アイドルに夢を見る層にはそもそも拒否感を抱かれるほど裏側にスポットを当てた話作りなんだよなあ。
偶像を暴いちゃっているわけだ。
6話えぐかったね…そのあとの救済があまりあるほどすばらしかったけど。何気ない呟きの加害性を見事に有馬ちゃんに語らせてて、天才だと思う。かなり刺さるフレーズだなと思ったので、視聴者の何人かはTwitterをやめるかもしれない。
◯ちょうどよい塩梅の地獄と救済
最終章のかなちゃんセンター問題のところでも思ったけど、視聴者が心折れそうなギリギリのラインまでキャラクターたちのかなり重い内情、周囲の残酷な仕打ちを吐露させて、一気に掬い上げるという手法がうまいのです。感情をジェットコースターみたいに振り回してくる。
アイドルや芸能界の人間くささとお仕事という現実をとことん見せつけてくる作品だった。おもしろかったです。とても。
余談で、手越祐也氏が「アイドル」を歌唱した動画をおすすめしておく。アイドルの素質が一番星級(歌唱力もそうだけど自分の見せ方がうまい)なのとスキャンダラスな生き様(隠し通せなかったが)が絶妙にマッチしたいいカバーになっている。アイドルによるアイドル。