「人生を、素晴らしいものだと思い出せる何かが、ここにあります。」(新聞広告より)
これは仲村ゆりの死後のお話。
生前3人の弟妹の命をたった30分で奪われた彼女が、死後も神様に抗おうとして、仲間ができて、気がついたら長い年月のうちに喪った家族と同じくらい仲間を愛していたことに気づく。
神様や運命を呪ってやまなかった少女が、次の人生に向かえるようになるまでの感動巨編。
という解釈で問題なかろうと思う。
新聞記事の一面がゆりっぺなのも何も問題ない。主人公だから。
でも物語の視点人物が音無だということは無視できない。
音無は主人公というか神様だと思うんだ。ドラえもんというか。探偵譚を書き綴る探偵助手とか。そういう位置づけ。このイレギュラーチートを呼び出すためにかなでの「心臓をくれた人にお礼を言いたい」というおよそ死後の世界でしか叶えようのない、しかし彼女らしさもある純粋でむちゃくちゃな願いがある。
かなでと音無が結ばれるのは結構。
この二人はそういう風に仕組まれた二人だと思う。
日向とゆいも実際出会えていたらそうなったんだろうなと想像できるのがとてもよかった。
なによりも、最悪の人生を終えて次の生なんか望むはずもなかったゆりっぺが、復讐と戦いで頭いっぱいだったゆりっぺが、戦線メンバーを愛していたことに気づいてまた生きようと思えたのが泣ける。
これあんまり語るとファンにいい加減なこと言ってんなよとぼこぼこにされそうだからこの辺にしとこうかな。
ヘブバンとのコラボでゆりっぺとかなでの絡みが拝見できるのがとても楽しみ。