名探偵という生き物が昔から好きだ。
夢水清志郎もニート探偵も火村英生も、頭はきれすぎるけれど社会生活にはあまり向いていない。
そういう現代の探偵の不器用さとかっこよさがアンバランスに同居する存在感がいい。
そして社会生活に向いていない探偵には、とびきり奇妙な謎がよく似合う。
鴨乃橋ロンは「探偵行為を禁止され」「5年間情報に触れずに泣きくらしていた」「謎を解きたくてたまらない」名探偵である。
相棒は「思ったことをすべて口に出す」「ピュアでマヌケな」「刑事には向いてない」捜査一課の刑事とくる。
探偵と助手だけで環境と性格が矛盾に満ちている。
足りないところを補完し合う関係性もいい。
1話はそんなふたりの最初の事件となる。
完璧なる推理能力を持ちながらとある事情で探偵できない名探偵と、まっすぐ熱血が行きすぎて仕事で結果を出せない刑事の珍道中はあまりに楽しい。
名探偵の致命的な欠点を補えるピュアなマヌケを「発見」したラストシーンは、絶妙なタイミングで流れ始める主題歌とともに何度も観たい名シーンになりそうな気配。
『鴨乃橋ロンの禁断推理』はおもしろそう。といいたいだけの記事を書いてしまった。