待ってましたの『シン』特撮シリーズ。
庵野秀明はオタクとコミュ障を描写するのが最高に上手いということと、ウルトラマンはリア充の集まりだったことが分かった。
シン・ゴジラは、壮絶な災害に人類の叡智で立ち向かう、孤高のオタクたちのチーム戦が魅力だった。
シン・ウルトラマンは、なぜ遠い異星人が人類を助けるのかわからず、異星人たちの掌の上で人類が転がされているような受け入れ難さがあった。
シン・仮面ライダーは、コミュ障ぼっちたちが戦線を共にする中で信頼を育み願いを託していくドラマがあった。
仮面ライダーで目を瞠るのは、身体能力の高さと肉弾戦の生々しさだと思う。
人造人間だけれども、生身の人間同士が戦い、血を吹く生々しさと、泡になって消えていく儚さが同居している。
主人公の本郷は頭がよく身体能力の高い優しすぎる人間で、かっこよく空中軽業を決めたと思ったら、動揺したり決意したり揺さぶられていて、人間味のあるスーパーマンはいいものだなあと思った。
国家と敵対するショッカーは人工知能が率いていて、その人工知能は独自の幸福観を持って局所的な救済を行っている。
ライダー2号だけが残された世界でもショッカーとの戦いは続くはずだけれど…いつか人工知能と対峙する日も来るのだろうか。