アイスランドから舞台はひと時日本へ。
・車の証言を集める
祖父のジャックは鳥と話をするし、慧は車と会話できる。そんな少し不思議な能力を生かして慧は探偵業の真似事をしている。
5巻までにも度々人探しをしてきた慧だが、6巻では消えた弟の行方を追うことになる。
車の「証言」をつなげて足跡を辿る描写がスリリングながらもおもしろい。
・レイキャヴィークの湖と美しい子ども
オフィーリアってこんな感じだろうか…という構図が美しい。水に浮かんでるとオフィーリアと思ってしまう習性があるかもしれない。
引きの画面の湖の広さも。
・ジャックとの帰国
精肉店のコロッケ、稲刈り後の田んぼ、同祖神のお地蔵さん、怒涛のノスタルジーが迫る。
昔話に出てきそうな「故郷」…桃源郷みたいに描かれている。アイスランドも日本も美しく美しく描写していくんだなと思う。
・雨樋の掃除
籠と箒を用意して、梯子を登って、樋の中を確認してスコップで落ち葉を集めて、最後に水を流す。見つけた鳥の死骸を弔う。
一連の作業がひとつひとつ描かれていて、それを追うだけで何かほっとするような気持ちになる。
日本であった出会いにより、慧は自分の抱えていた違和感に気づき、再び走りはじめる。
ジムニーにはじまり、バイクで終わる今巻だった。