最富キョウスケ先生のクイーンズ・クオリティ最新刊。小学館のベツコミで連載中の作品です。
身寄りも昔の記憶もない女子高生・文ちゃんが、人間の心に入り込んでその人の闇(病み)を浄化する「掃除屋」を家業とするお家・堀北家に掃除屋見習いとして住み込みで働いている心理ファンタジー。
相方の玖太郎氏とお掃除の日々を過ごす中で、文ちゃんは女王になり、玖太郎氏は蛇になるなどします。
以下18巻感想メモ。断片的。
・長かった夏休み
6巻から…ずうっと…夏休みだったのね…!
聖地からの蛇からの青龍からの朱雀からの地獄…全部夏休み中のできごとだったのね…!
・ホッ〇〇ック
先生のコラムより。
煮物がおいしくできあがるという。材料入れたらご飯できてるのいいなー。
・コミュ糞
玖太郎氏のチャームポイントとして初期から設定されている。仕事とか家ではまったく感じさせないし、そもそも最近眠り姫だったので久しぶり感が強い。作中でもいつもより強調されていたような。
・屋上とリフォーム
「屋上はまだ」ってことは、堀北家ってリフォームしてたのか。花火いいよねー。文ちゃんが勉強してた書庫みたいなお部屋も素敵だった。
・「おかえり」
文ちゃんがふゆちゃんだと確定して、その後もいろいろいろいろあったけど、これがあれからはじめての入室になるのね。感慨深い…玖太郎氏からすればほんとうにおかえりだよなあ…
・絶望の入っている扉
前半の大きな伏線がついに回収。いつ絶望を開けにいくんだろうと読者、時々思っていた。白が管理している棺と、白が望む絶望…棺の入り口と判明すれども、「絶望」は今後もキーワードなのでしょう。
謎が多いけど、棺と白が出そろって、ついに物語も終盤に向かっていくのだろうか。
・クイーンズ・クオリティの思考
この作品、嫌なことしたり言ったりする人間は「ムシ憑き」ということで治療が施される仕組みになっている。
人間そのものが悪という考え方じゃなくて、弱いところを病む、蝕まれる、というような考え方をしていて、そこがすごくいいなと思うところ。
病まない健やかな心を保つために、玄武(堀北家のとりまとめるグループ)の掃除屋さんは日々のお掃除を修行にしている。掃除と心の平静を絡めているところもおもしろい。
読者私の部屋は物置倉庫と化しているが、部屋をきれいにしたら心も平静に保てるだろうか。
この作品はきっともっと読者に心理学方向の知識があるとより楽しそうだなって…イドっぽい概念とか…集合的無意識とか…素人だから分からないけど、分からなくてもおもしろい。
豊かな家庭が、平民の心の平穏を守るみたいな構図もあるなあとか思ったりして。ノブレス・オブリージュ的かっこよさも実はあるのではないかなとちらっと思ったりもしながらこの辺で。
「勇気を持って 楽しんで暮らしていこう
私たちの智慧は
この世界と 人生を肯定するためにある」