またたび感想録

観たもの聴いたもの読んだものの感想を述べます。

Fate/Labyrinth 感想

さて蒼銀の3巻と4巻の間に読むように聞いていたラビリンスですね。

おもしろかったー。

蒼銀が定められた結末に向かって展開していくのに対して、今作はフリーフォール。どこに着地するのか分からない楽しさがありました。

 

プロトタイプから読み始めたので、愛歌は最初とても恐ろしい存在だった…んだけれども、3巻を読み終える頃には「セイバー、これだけ想いを寄せる女の子を袖にするのはアナタ果たして騎士道的にどうなのかうんぬん」等ぼやき始めてしまう始末。

ひとつの恋心のために全能を捧げる少女はあまりにも愛らしく美しいと思わないか。

 

セイバーと出会うまでの愛歌には少女らしさがなかったという。セイバーと出会って全能は少女に成った。

でも全能だから一番効率の良い手段で処理してしまう。人間も英霊も愛歌の掌の上で殺され奪われ使われて行く。…セイバーは全能を受け止める器じゃなかった…いや、そんな器を求めるのが無理な話かも。

 

ええと、本作。

吸血種の仕掛けた英霊を取り込む迷宮という設定が空の境界の例のマンションと似ているなあと思いながら読みました。

構造物の中の営みを丸ごと利用していくスタイルが大胆でおもしろいなあと思う。まあひどいんだけれども。

 

餅のような食感の木の皮で作られたサンドイッチがひじょーに気になる。おいしそう…現存する食材だとなにが近いんだろ…五平餅?長餅?八ツ橋あたりかもしれない。

 

なにより3巻からの流れで、愛歌が楽しそうに冒険を共にしているのがよかった。

途中でフェードアウトするとは思わなかったけども。交代した後のノーマのあまりの心細さに、愛歌のすごさが逆に映えてしまうという。

それでも生きるか死ぬかの戦いの最中でグレイを思って駆け出したノーマはfate系列の意志あるヒロインだなあと思った。いいよね…。

最後の最後に『ロードエルメロイ』の文字を見て、あ!そういえばあのシリーズの書影にフードをかぶった女の子がいたような気がする!と思い出した。ロードエルメロイもおもしろいのかな。知ってる人にしたら、大サービスだったかもしれない。